新著『菜園家族レボリューション ―日本国憲法、究極の具現化―』(本の泉社)が刊行されました!

 このたび2018年2月3日に、新著『菜園家族レボリューション ―日本国憲法、究極の具現化―』(小貫雅男・伊藤恵子 著、本の泉社、A5判160頁)が刊行されました。
 多くの方々にお読みいただきたいと願っています。

表紙『菜園家族レボリューション―日本国憲法、究極の具現化―』(小貫雅男・伊藤恵子、本の泉社、2018年2月)

 

 

 

 

『菜園家族レボリューション
 ―日本国憲法、究極の具現化―
(小貫雅男・伊藤恵子 著、本の泉社
 A5判160頁、2018年2月3日発行、
 定価:本体1,200円+税)

 

           21世紀人々は、前人未踏の
           おおらかな自然(じねん)の世界を求め
           大地への壮大な回帰と止揚(レボリューション)の道を歩みはじめる。

             根なし草同然となった
             近代特有の人間の生存形態
             賃金労働者を根源的に問い直し

           冷酷無惨なグローバル市場に対峙して
           抗市場免疫の「菜園家族」を基礎に
           素朴で、精神性豊かな生活世界を構築する。

             憎しみと報復の連鎖に代えて
             非武装・不戦の誓いを
             いのちの思想を
             暮らしの根っこから。

           今こそ近代のパラダイムを転換する。

                            ~扉のことばより~

≪本書の主旨≫
 私たちは鳥籠に飼い馴らされ、本来の野性を失い、いつの間にか歌を忘れたカナリアになってしまったのではないか。このこと自体が、実に恐るべきことなのだ。
 俗物トランプ流の反知性と自己本位の拝金主義の蔓延、そしてアベ流改憲のこざかしさと欺瞞に満ちた反動攻勢の風圧に押され、いつのまにか自由な思考と創造の世界に羽ばたくことを忘れてしまったようだ。狭い枠に閉じ込められ、果てには破滅の坂を転がり落ちていったかつての時代の記憶が甦ってくる。実におぞましい時代に突入したのである。

         今だからこそ、別次元の思考と行動力を

            超大国アメリカが
            徒党を組み画策する
            弱小国への
            異常なまでの軍事圧力と経済制裁。

              この狂気の沙汰が誘引する
              核の導火線に怯え
              本質を忘れ
              冷静さを失ってはならない。

            私たちは
            はるか遠い未来を
            展望するに足る
            山頂に立ち得た時

              あの忌まわしい
              強権的為政者たちの
              欲深い、けちな取引とは
              まったく別次元の
              思考と行動力を獲得するのだ。

                              ~本文 第一章より~

 1990年代初頭、第二次大戦後の世界を規定してきた米ソ二大陣営の対立による冷戦構造が崩壊し、アメリカ単独覇権体制が成立することになる。しかしそれも束の間、アメリカ超大国の相対的衰退傾向の中、その弛緩に乗ずるかのように、旧来の伝統的大国に加え、新興大国が入り乱れる新たな地球規模での多元的覇権争奪の時代がはじまった。アベノミクスの「経済大国」、「軍事大国」への志向は、まさにこの新たな時代に現れた21世紀型の「新大国主義」とも言うべきその本質が、直截的、具体的に現実世界に投影された姿そのものと見るべきであろう。
 21世紀型「新大国主義」の台頭とも言うべき、今日の新たな歴史的段階に突入し、戦争の危機迫るこの暗い世界にあって、日本国憲法のなかんずく前文および第九条「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認」の精神は、いよいよ燦然と輝き、私たちの行く手を照らしている。この第九条こそ、大国主義への誘惑を排し、他者に対する深い寛容の精神と、非同盟・中立、非武装・不戦の平和主義に徹した小国主義への道である。

 このいのちの思想を今日の現実世界において如何にして実現していくのか。
 本書では、その可能性をわが国の経済・社会のあり方、つまり、21世紀未来社会論としての「菜園家族」構想の側面から探究する。
 これまで十数年間、数次にわたって提起してきた「菜園家族」構想による21世紀の新たな未来社会像について、日本国憲法の三原則「平和主義」、「基本的人権(生存権を含む)の尊重」、「主権在民」を基軸とする全条項の具現化との関わりにおいて、特に大切になってくる核心部分に絞って、章を追って順次究明していく。

 「菜園家族」構想による未来社会の長期にわたる実現過程は、日本国憲法全条項の究極の具現化への道そのものであり、さらには、それぞれの条項を個々バラバラなものとしてではなく、相互に内的に密接、有機的に連関させつつ、その理念を民衆の暮らしの中に深く浸透させ、現実社会に丸ごと実体化していくプロセスそのものでもある。
 そしてまた、日本国憲法と私たちの暮らしとの不可分一体化を成し遂げていくこの過程は、同時に、人間社会の生成・進化の原理が自然界の摂理とも言うべき「適応・調整」の普遍的原理に限りなく近づき、「菜園家族」を基調とするCFP複合社会を経て、人間を抑圧の苦渋から最終的に解放し、自由・平等・友愛のおおらかな「自然(じねん)の世界」、つまり近代を超克する素朴で精神性豊かな自然循環型共生社会へと到達するプロセスでもあるのだ。
 そこに、日本国憲法と「菜園家族」構想との一体的連関性と、そこから新たに生まれ展開する、前代未到の21世紀独自のレボリューションとしての真価を見出すことができる。

 以下に目次と著者からのメッセージを掲載します。
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またもや保身の醜態を繰り返すのか ―安倍首相、冒頭解散表明の日に―

      またもや保身の醜態を繰り返すのか

     アベの
     私難を
     「国難突破」解散に
     すり替える
     このこざかしさよ。
       この国の
       先の見えない不安に付け込み
       鷹の本性を巧みに化粧し
       絶望の党を
       希望の党に
       平然とすり替える
       この高をくくった
       ずる賢さよ。
     これでは所詮
     どれもこれも
     議員生き残りを賭けた
     庶民とはまったく無縁の
     策士集団の
     欺瞞の政治の
     繰り返しに過ぎない。
       為政者は
       国民をどこまで
       あなどれば
       気が済むというのであろうか。
     この国の政治には
     あまりにも嘘が
     多すぎる。
       それを許しているのは
       「お任せ主義」に安住してきた
       私たち国民自身ではないのか。
     結局
     私たち草の根の民衆自身が
     根っこから
     自らの主体性を回復し
       自らの暮らしと
       この国のあり方を
       根源的に問い直すことから
       はじめない限り
       未来はない。
     では
     どうすればいいのか・・・。
       長きにわたって放置されてきた
       この重い課題は
       いずれ
       国民的議論にならざるを得ないであろう。

               2017年9月25日 ― 安倍首相、冒頭解散表明の日に ―
                            里山研究庵Nomad
                               小貫雅男
                               伊藤恵子

「では、どうすればいいのか」については、一つの提起として、既に当ホームページに掲載した
 小文
「新生日本の黎明 ―『菜園家族』構想による日本国憲法全条項の究極の具現化―」
 まずはご参照ください。近く大幅増補版を公表する予定です。

【72年目の終戦の日に寄せて】新生日本の黎明 ―「菜園家族」構想による日本国憲法全条項の究極の具現化 ―

 このたび、72年目の終戦の日に寄せて、小文 新生日本の黎明 ―「菜園家族」構想による日本国憲法全条項の究極の具現化 ―(小貫雅男・伊藤恵子)をまとめました。
 ご関心のある方は、ぜひご一読ください。

◆ こちらから全文をダウンロードできます。
新生日本の黎明 ―「菜園家族」構想による日本国憲法全条項の究極の具現化 ―
(2017年8月15日付、PDF:832KB、A4用紙40枚分)

 この小文の目次は下記の通りです。

      ― 目 次

1 何と愚かな狂気の沙汰、あの忌まわしい戦争を人間はまた繰返すのか
    ― 欲深い権力者の駆け引きではなく、民衆の英知の結集こそが未来を拓く ―
   あまりにも片寄った情報の氾濫の中で考える
   緊迫した今日の事態解決への道 ― 民衆自身による包括的な運動を
   未来への決断 ― 身近な語らいの場から、未来への瑞々しい構想力が漲る
   小さなタンポポに託す未来への夢 ―「自然(じねん)の世界」のおおらかさへ

2 近代を超克する新たな時代のステージへ
    ― 日本国憲法の小国主義の土台を築く「菜園家族」―
   覇権主義を排し、日本国憲法の理念に根ざす小国主義の道を
   まず自らの弱さのありかを自覚し、新たな長期展望のもとに
   21世紀の新たな時代の土台を築く「菜園家族」
   世界に類例を見ないCFP複合社会 ― 史上はじめての試み
   「戦争と平和」の問題を暮らしの内実から考える ―「菜園家族」的平和主義の提起

3 「菜園家族」を土台に築く円熟した先進福祉大国
    ― 近代を超克する新たな社会保障制度を探る ―
   原理レベルから考える「自助、共助、公助」
   「家族」に固有の機能の喪失とこの国破綻の根源的原因
   スモール・イズ・ビューティフル ― 巨大化の道に抗して
   「家族」に固有の福祉機能の復活と「菜園家族」を土台に築く高次社会保障制度
   「菜園家族」を土台に築く円熟した先進福祉大国への可能性
   近代を超克する円熟した先進福祉大国をめざす新たな国民運動の形成
   「家族」と「地域」の再生は不可能なのか
   「家族」と「地域」の再生をゆるやかな変化の中で捉える ― 諦念から希望へ
   「お任せ民主主義」を社会の根っこから問い直す
     ― 多彩で自由な人間活動の「土づくり」
   「お任せ民主主義」を排し、何よりも自らの主体性の確立を
     ― そこにこそ生きる喜びがある

4 今こそ近代のパラダイムを転換する
    ― 生命本位史観に立脚した21世紀未来社会論 ―
   自然界の普遍的原理と21世紀未来社会
   自然への回帰と止揚(レボリューション)、これこそが人間の本源的な歴史思想である
   「菜園家族」構想、これこそが日本国憲法全条項の究極の具現化

【緊急提言 ― 北朝鮮問題と未来への決断】21世紀この国と地域の未来を考える 自然(じねん)懇話会(仮称)の芽を各地に(字句加筆・訂正版)

◆ こちらから全文をダウンロードできます。
21世紀この国と地域の未来を考える 自然懇話会(仮称)の芽を各地に
(2017年8月3日付 字句加筆・訂正版、PDF:238KB、A4用紙5枚分)

【緊急提言 ― 北朝鮮問題と未来への決断】

21世紀この国と地域の未来を考える

自然(じねん)懇話会(仮称)の芽を各地に

本質を眩ます巨大欲望の魔性
 果てしなく混迷を深める今日の世界。先の見えない生活への不安とにわかに現実味を帯びてきた核戦争の脅威。
 欲望の化身ともいうべき巨大資本は、その得体の知れない魔性によって、明日への希望を見失った民衆を巧みに操り、惑わす。
 社会のシステム自体があまりにも巨大で複雑不透明であることをいいことに、民衆の生活苦と差し迫る核戦争の脅威の原因を生み出してきた自らの責任を問うことなく、それがあたかも避けることのできない不可抗力の天災であるかのように思わせ、人々を無気力と諦念へと容赦なく追い込んでいく。
 私たちは知らず知らずのうちに、この巨大な妖怪の魔術にかけられてはいないか。
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『よつばつうしん』2017年4月号に小論が掲載されました

 『よつばつうしん』2017年4月号の「視点論点」コーナーに、「21世紀の『菜園家族』時代の扉を開くと題する小貫の小論が掲載されました。(小論の全文を読む →
 『よつばつうしん』は、関西よつ葉連絡会(大阪府茨木市)が毎月1回発行している機関紙です。
 この会では、「生活の糧は、おカネを介して手に入れることが当たり前になっている世の中で、自らの食べるものを少しでも自分で作ってみましょう」と呼びかけ、この12年来、会員にカタログで「地場の野菜苗」を紹介し、家庭で野菜作りを楽しむよう薦めてこられたそうです。
 『つうしん』4月号の配布は、ちょうど野菜苗の配達週にあたるので、今回の「視点論点」の小論が、野菜作りをしてみようと思いはじめている会員さんの励みになる内容になれば・・・と編集部からご依頼があり、寄稿したものです。

◆関西よつ葉連絡会のご紹介◆
 関西よつ葉連絡会は、1976年、当時の「有機農業運動」と「食品公害追放の消費者運動」の高まりの中で、大阪の地に生まれた団体です。会員に安全な食べもの・安心して使える生活用品を供給する活動に取り組み、現在、会員は約4万世帯に広がっています。
 この会では、生産・流通・消費を結びつけ、食べものをめぐる社会的仕組みを作り変えなければ、安全な食べものを手に入れることはできないとの考えから、自前の農場と食品加工工場を持ち、運営しておられます。つまり、供給を受けるだけの単なる消費者団体にとどまることなく、自らも「生産」活動に参加し、「物」(食べもの)を作る苦労と喜びを体験する必要があると考えておられるのです。
 そして、社会・経済・政治の問題をも考え、国内だけでなく世界にも目を向け、世界の人々と協同して活動する中でこそ、目標が実現されていくと、下記のような「よつ葉憲章」を掲げ、全国各地の農家や市民など、さまざまな分野の人々とのネットワークを広げながら、多彩な活動を展開しておられます。

★よつ葉憲章★
1 私たちは食は自然の恵み・人も自然の一部という価値観に重きを置き、自然との関わりを大切にする、安心して暮らせる社会を求め、その実現にむけて行動します。
2 私たちはモノよりも人にこだわります。バラバラにされた生産・流通・消費のつながりをとりもどし、そして人と人とのつながりを作り直します。
3 私たちは食生活の見直しを通じて、世界の人々の生活を考え、共に生きる道をめざします。
4 私たちは目先のとりあえずの解決より、根本的な未来に向けた暮らしの創造をめざします。
5 私たちは志を同じくする団体や個人との協同を、小異を超えて追求します。

詳しくは、関西よつ葉連絡会のホームページhttp://www.yotuba.gr.jp/をご覧ください。

『菜園家族の思想』を読んでのお便り(黒須正雄さんより)

 お正月明け早々2017年1月6日に、黒須正雄さん(東京都三鷹市在住)から、拙著『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―』(かもがわ出版、2016年10月刊)を読んでのお便りが届きました。
 この中で、地元で取り組んでおられる「居場所」づくりのご活動の様子と、未来への抱負が語られています。
 あまりにも過酷な競争社会にあって、我知らず「自己責任」の思考に囚われ、自他ともに孤立に陥りがちな昨今、人と人とのあたたかなつながりをもう一度、取り戻そうとする実践は、大きな励ましになることと思います。
 以下に掲載いたします。

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『菜園家族の思想』へのご感想(久島恒知さん・その2)

 久島恒知さんからいただいた、拙著『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―』へのご感想(その2)を掲載いたします。

『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―』を読んで

久島 恒知(映像プロデューサー)

(その2)

 
 「菜園家族」型社会の萌芽という点で、僕が注目しているところがあります。
 それは、神奈川県相模原市の旧藤野町という小さな町で、芸術家や自然志向の人たちが移住して、地元の住民たちとともに「持続可能なまちづくり」を実践しています。農業、林業、再生可能エネルギー、地域通貨などです。

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『菜園家族の思想』へのご感想(久島恒知さん・その1)

 昨2016年末、久島恒知さん(千葉県柏市在住)から、拙著『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―』(かもがわ出版、2016年10月刊)へのご感想が届きました。
 久島さんのご紹介と合わせて、2回に分けて掲載させていただきます。

◆久島恒知さんのご紹介◆
 久島恒知さん(元 映像プロダクション・プロデューサー)は、今から25年前、ヨーグルトのルーツを辿る映像作品の制作のために、モンゴル遊牧地域とブルガリアを現地取材されました。
 そのご縁で、私たちのドキュメンタリー映像作品『四季・遊牧』の制作と上映活動を一貫してサポートしていただくことになり、以来、長きにわたってご交流が続いています。
 久島さんは、数年前、ある難病を発症し入院。プロダクションを後進に引き継ぎ、家庭菜園などで健康維持につとめられてきました。
 そんな折、2011年3月11日の東日本大震災が発生。久島さんは、思い立って、原発事故で避難を余儀なくされた福島県浪江町の方々のもとを訪ねはじめます。
 映画好きの久島さんらしく、編み出した独自の交流・支援の方法は、出前映画館。仮設住宅(福島市)の集会所におばちゃんたちと集い、「浪江キネマ」と銘打って、小津安二郎監督の『東京物語』、山田洋次監督の『小さいおうち』、高倉健主演の『鉄道員(ぽっぽや)』、吉永小百合主演の『北の零年』などの名作や、ご自身制作のドキュメンタリー映画『じゃあ、また来週!』を共に鑑賞することによって、お互いの境遇や胸の奥の思いを自ずと打ち解けて語り合える、そんな場を作ってこられたのです。
 この間、入退院を繰り返しつつも、月1度のペースで、車に映写機材を積み、こつこつと通い続けて6年。活動の様子をその都度、文に綴った通信レポート『僕とオバチャンと浪江町』は、今や50号に達し、分厚いファイル2冊分にもなっています。
 愛する家族を失い、ふるさとを離れて不安の中で暮らす浪江のおばちゃんたちにとって、すっかり心強い「仲間」になられています。

以下に、久島さんのご感想(その1)を掲載します。
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『菜園家族の思想』の書評をいただきました(評者:藤井満さん)

藤井満さん(朝日新聞紀南支局記者)から、拙著『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―』(かもがわ出版、2016年10月刊)の評が届きました。当研究庵宛てのお便りとともに、以下に転載させていただきます。

小貫先生、伊藤さま
 ようやく読み終えました。
 細胞レベルの生物学からマルクス主義、クルーグマンまで、構想の大きさと幅広さにくらくらします。
 大阪都構想や「地方創生」の「上から目線」は本当にまずいですね。
 それに対抗する草の根民主主義が弱体化していることに危機感を覚えます。
 もしかしたら「菜園家族」は、民主主義再生の構想なのではないか、と思いながら読みました。
 戦後の日本人では森嶋通夫が、ウェーバーの理論をもとに「大きな理論」を描いていましたが、小貫先生と伊藤さんの構想は、GDP信仰を越えるという意味で、新しい地平を切り拓いているんですね。
 友人でつくっている本紹介のメーリングリストに書いたものを下に貼り付けておきます。
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新著『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―』(かもがわ出版)が刊行されました!

 このたび新著『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―』(小貫雅男・伊藤恵子 著、かもがわ出版、四六判384頁、2016年10月)が刊行されました。ぜひご一読ください。

表紙『菜園家族の思想―甦る小国主義日本―』(小貫雅男・伊藤恵子、かもがわ出版、2016年)

(帯付き)

 

 

 

 

『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―
(小貫雅男・伊藤恵子 著、かもがわ出版
四六判384頁、2016年10月31日発行、
定価:本体2,500円+税)

 

 

飽くなき欲望の巨大怪物、グローバル市場に対峙し
今こそ、近代超克の大地への回帰と止揚を

抗市場免疫の「菜園家族」型ワークシェアリングによる
もともとあったはずの自由な時間の回復と
素朴で、精神性豊かなライフスタイルの創造。

憎しみと暴力の連鎖に代えて、寛容と共生の思想を暮らしの根っこから。

                       ~帯(表)のキャッチフレーズより~

「菜園家族」の未来構想の根底には、
人々の心に脈々と受け継がれてきた
大地への回帰と止揚という
民衆の揺るぎない歴史思想の水脈が息づいている。

まさにこの民衆思想が
21世紀未来社会論の新たな局面を切り拓く。

               ~帯(裏)のキャッチフレーズより~

 「菜園家族」の真髄は、燦々と降りそそぐ太陽のもと大地を耕し、雨の恵みを受けて作物を育て、その成長を慈しむことにある。天体の運行にあわせ、自然のゆったりとした循環の中に身をゆだね、子供たちも、大人たちも、年老いた祖父母たちも、ともに助け合い、分かち合い、仲良く笑顔で暮らす。それ以外の何ものでもない。
 人と競い、争い、果てには他国への憎しみを駆り立てられ、殺し合う。そんな戦争とは、「菜園家族」はもともと無縁である。残酷非道な、それこそ無駄と浪費の最たる前世紀の遺物「人を殺す道具」とは、無縁なのである。「菜園家族」は、世界に先駆けて自らの手で戦争を永遠に放棄し、自らも大いなる自然に溶け込むように、平和に暮らすよすがを築いていくにちがいない。
                           ~「むすびにかえて」より抜粋~

資本主義固有の不確実性と投機性が露わになった今
大地から引き離され、根なし草同然となった近代の人間の生存形態
賃金労働者を根源的に問い直す。
 強欲、冷酷無惨なグローバル市場に対峙し
 近代を超克する抗市場免疫の新たな「菜園家族」を基礎に
 素朴で、精神性豊かな自然(じねん)世界への壮大な回帰と止揚の道を切り拓く。

21世紀、この基本方向をどう実現していくのか。
本書はその具体的な道筋と手立てを提示する。

                        ~カバー折返しの要旨紹介より~

帯なし表紙『菜園家族の思想―甦る小国主義日本―』(小貫雅男・伊藤恵子、かもがわ出版、2016年)

(帯をはずすと)

 

 

 

 

『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―
(小貫雅男・伊藤恵子 著、かもがわ出版
四六判384頁、2016年10月31日発行、
定価:本体2,500円+税)

 

― 目 次 ―

はしがき  (1)

序章 憎しみと暴力のるつぼと化した世界、そこから立ち上がる新たな理念  (25)

1 世界の構造的不条理への反旗 (25)
― 今問われているのは私たちのライフスタイルそのもの ―
資本主義が陥った末期的症状
あらためてアルジェリア人質事件を思い起こす

2 東日本大震災から希望の明日へ  (29)
あのときの衝撃を一時の「自粛」に終わらせてはならない
「原発安全神話」の上に築かれた危うい国
財界の意を汲む復興構想の末路
21世紀未来像の欠如と地域再生の混迷 ― 上からの「政策」を許す土壌
新たな21世紀の未来社会論を求めて

第一章 21世紀未来構想の問題意識、求められるその方法論の革新  (45)

1 末期重症の資本主義と機能不全に陥った近代経済学  (46)
― 21世紀未来社会論のさらなる深化のために ―
近代を超えて遥かな地平へ
新古典派から抜け出たケインズ理論
経済の金融化と新自由主義、マネタリズムの登場
暴走するマネー経済と疲弊する現実社会
近代経済学を超えて、草の根の21世紀未来社会論を

2 19世紀未来社会論の到達点と限界  (59)
人類の歴史を貫く民衆の根源的思想
19世紀に到達したマルクスの未来社会論
19世紀未来社会論に代わる私たち自身の21世紀未来社会論を

3 21世紀未来社会論、その方法論の革新  (68)
21世紀の今日にふさわしい新たな歴史観の探究を
未来社会論の基底に革新的地域研究としての「地域生態学」を据える
― 21世紀社会構想の変革のために

第二章 私たちは何とも不思議な時代の不思議の国に生きている  (75)
― いのち削り、心病む終わりなき市場競争 ―

1 今なぜ近代の人間の社会的生存形態「賃金労働者」を問い直すのか  (77)

2 生命本位史観に立脚し「家族」と「地域」の再生を探る  (83)
いのちの再生産とモノの再生産の「二つの輪」が重なる家族が消えた
高度経済成長以前のわが国の暮らし ― かつての森と海を結ぶ流域地域圏
森から平野へ移行する暮らしの場
歪められ修復不能に陥ったこの国のかたち
「家族」と「地域」衰退のメカニズム ― 干からびた細胞
再生への鍵 ―「家族」と「地域」を基軸に

第三章 人間はなるべくして人間になった ― その奇跡の歴史の根源に迫る ―  (93)

人間とは、「家族」とは一体何か
「家族」の評価をめぐる歴史的事情
人間の個体発生の過程に生物進化の壮大なドラマが
母胎の中につくられた絶妙な「自然」
人間に特有な「家族」誕生の契機
「家族」がもつ根源的な意義
人間が人間であるために

第四章 「菜園家族」構想とその基礎  (111)
― 21世紀の「地域生態学」的未来社会論 ―

生産手段の分離から「再結合」の道へ ―「自然への回帰と止揚」の歴史思想
「菜園家族」構想の理念とその歴史的意義
週休(2+α)日制のワークシェアリングによる三世代「菜園家族」構想
世界に類例を見ないCFP複合社会 ― 史上はじめての試み
CFP複合社会の特質
甦るものづくりの心、ものづくりの技
土が育むもの ― 素朴で強靱にして繊細な心
家族小経営の歴史性と生命力

第五章 「菜園家族」構想の現実世界への具体的適用とその展開  (143)
― 実現可能性を探る ―

日本の農村・農業の現実 ― 反転、そして再生へ
“菜園家族群落”による日本型農業の再生 ― 高度な労農連携への道
農地とワークの一体的シェアリング ― 公的「農地バンク」、その果たす役割
草の根民主主義熟成の土壌 ― 森と海を結ぶ流域地域圏の再生

第六章 「匠商家族」と地方中核都市の形成  (165)

非農業基盤の家族小経営 ―「匠商家族」
「匠商家族」とその協同組織「なりわいとも」
「なりわいとも」と森と海を結ぶ流域地域圏の中核都市
「なりわいとも」の歴史的意義
前近代の基盤の上に築く新たな「協同の思想」

第七章 高度経済成長の延長線上に現れた3・11の惨禍  (183)

高度経済成長が地域にもたらしたもの
今日の歪められた国土構造を誘引し決定づけた『日本列島改造論』
『日本列島改造論』の地球版再現は許されない
今こそ「成長神話」の呪縛からの脱却を

第八章 「菜園家族」の台頭と資本の自然遡行的分散過程  (201)

資本の自己増殖運動と科学技術
資本の従属的地位に転落した科学技術、それがもたらしたもの
GDPの内実を問う ― 経済成長至上主義への疑問
資本の自然遡行的分散過程と「菜園家族」の創出
新たな科学技術体系の生成・進化と未来社会

第九章 自然循環型共生社会への現実的アプローチ  (217)
― 四つの具体的提案を基軸に考える ―

21世紀こそ草の根の変革主体の構築を ―「お任せ民主主義」の限界と破綻

その1 原発のない低炭素社会への道、その究極のメカニズム  (220)
「菜園家族」の創出は、地球温暖化を食い止める究極の鍵
原発のない低炭素社会へ導く究極のメカニズム ― CSSK方式
CFP複合社会への移行を促すCSSKメカニズム
CSSK特定財源による人間本位の新たなる公共的事業
本物の自然循環型共生社会をめざして

その2 今こそ地域社会の本格的な実態把握を ― 新たなる未来の明日のために  (230)
アベノミクスの「地方創生」は積年の悪弊の延長にすぎない
一つの具体的「地域」典型から、今何をなすべきかを考える
市町村における地域再生の本当の鍵は、農業・農村問題の解決である
地域社会には、今こそ精密検査による根本的な原因療法がもとめられている
本物の民主主義の復権と地域の再生

その3 「菜園家族」じねんネットワーク(SJnet)の構築、その多彩で豊かな展開  (241)
自然(じねん)の原理によって生まれ育つSJnet
SJnetの活動とその原理 ― 自主、自発の原則
労働組合運動の驚くべき衰退、そこから見えてくるもの
21世紀の労働運動と私たち自身のライフスタイル ―「菜園家族」の新しい風を
多彩で自由な人間の活動 ― 底から支える力

その4 「菜園家族」じねんシンクタンク(SJTT)創設の意義  (250)
SJnetを土台に築く草の根のシンクタンク
草の根の叡知の結集こそが新たな時代を切り拓く

第十章 「菜園家族」を土台に築く円熟した先進福祉大国  (253)
― 近代を超克する社会保障制度を探る ―

原理レベルから考える「自助、共助、公助」
「家族」に固有の機能の喪失とこの国破綻の根源的原因
スモール・イズ・ビューティフル ― 巨大化の道に抗して
「家族」に固有の福祉機能の復活と高次社会保障制度
「菜園家族」を土台に築く円熟した先進福祉大国への可能性
近代を超克する円熟した先進福祉大国をめざす新たな国民運動の形成
「家族」と「地域」の再生は不可能なのか
「家族」と「地域」の再生をゆるやかな変化の中で捉える ― 諦念から希望へ
「お任せ民主主義」を排し、何よりもまず自らの主体性の確立を
― そこにこそ生きる喜びがある

第十一章 近代を超克する「菜園家族」的平和主義の構築  (281)
― いのちの思想を現実の世界へ ―

日本国憲法の平和主義、その具現化の確かな道を求めて
アベノミクス主導の解釈改憲強行の歴史的暴挙
あらためて日本国憲法を素直に読みたい
アベノミクス「積極的平和主義」の内実たるや
「自衛」の名の下に戦った沖縄戦の結末は
「巨大国家の暴力」と「弱者の暴力」との連鎖をどう断ち切るか
憲法第九条の精神を生かす新たな提案 ― 自衛隊の「防災隊」(仮称)への発展的解消
非戦・平和構築の千里の道も一歩から
非戦・平和の運動に大地に根ざした新しい風を
戦後70年、もう一度初心にかえり世界の人々に呼びかけよう

第十二章 今こそ近代のパラダイムを転換する  (301)
― 生命本位史観に立脚した21世紀未来社会論 ―

未踏の思考領域に活路を探る
人間の新たな社会的生存形態が、21世紀社会のかたちを決める
自然界を貫く「適応・調整」の普遍的原理
自然法則の現れとしての生命
自然界の普遍的原理と21世紀未来社会
CFP複合社会を経て高次自然社会へ ― 労働を芸術に高める
未来社会を身近に引き寄せる「セクターC、F、Pの対立と依存の展開過程」
形骸化した民主主義の現状と「生産手段の再結合」
より高次のFP複合社会における生産手段の所有形態をめぐって
ここで確認しておきたいいくつかの要諦

むすびにかえて ― 自然(じねん)の思想を現実の世界へ ―  (331)

人間社会の生成・進化を律する原理を自然界の「適応・調整」の普遍的原理に戻す
自然への回帰と止揚、これこそが人間の本源的な歴史思想である
自然観と社会観の分離を排し、両者合一の思想をすべての基礎におく
混迷の時代だからこそ見失ってはならない未来社会への展望、そしてゆるぎない確信
日本国憲法のもとではじめて甦る「未発の可能性」としての小国主義

あとがき ―「世界でいちばん貧しい大統領」ホセ・ムヒカさんの思想との交歓 ― (347)

引用・参考文献一覧 (362)

著者からのメッセージ
 東日本大震災の未曾有の事態に直面し、歴史の大きな転換期にあるにもかかわらず、旧態依然たる上から目線の政策が次々と押しつけられ、後退に後退を余儀なくされているのが現状です。「地域」や「労働」の現場に生きる人々の立場に立った、かつ21世紀日本のめざすべき方向を見据えた包括的な研究と実践、それに基づく未来構想とそこに至る具体的な道筋の探究が、今ほどもとめられている時もありません。
 一方、世界に目を転ずるならば、米ソ二大対立の終焉は多元的覇権抗争の「新大国主義時代」とも言うべき新たな局面を招来し、グローバル市場化はさらなる熾烈を極めています。各地の民衆の生活基盤は揺らぎ、人々の不満と怒りの鬱積は頂点に達し、憎悪と暴力の連鎖はとどまることを知りません。今や世界は、自己制御不能の危機的状況にすら陥っていると言えるでしょう。
 私たちはどのような未来をめざすべきなのか、人類史の長いスパンの中で18世紀イギリス産業革命以来の近代を、自然と人間、人間と人間との関係からあらためて深く問い直す時に来ているのではないでしょうか。
 戦後70年、重大な岐路に立たされている今こそ、どこかで誰かによっていつの間にか自らの運命が決められてしまう「お任せ民主主義」を克服し、自らの頭で自らのすすむべき道を選び、主体的に考え行動する、そんな主権在民のあるべき姿を取り戻したい・・・。
 こうした思いから、本書をまとめました。
 憎しみと対立の連鎖が拡大の一途を辿る今日の世界にあって、この小著が近代を超克する新たな視点から、寛容と共生の21世紀社会の枠組みを探るささやかな一助になればと願っています。

2016年10月
里山研究庵Nomad
小貫雅男・伊藤恵子

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