
“シリーズ21世紀の未来社会(全13章)”の要諦再読―その4―
“シリーズ21世紀の未来社会(全13章)”の
◆要諦再読◆ ―その4
―
特異な発達を遂げたヒトの脳髄
―“諸刃の剣”とも言うべきその宿命―
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要諦再読 ―その4―
“特異な発達を遂げたヒトの脳髄”
(PDF:432KB、A4用紙4枚分)
「道具」の発達と生産力の爆発的な発展 ―ヒトの脳髄、自然界からの皮肉な贈り物
既に見てきたように、「常態化された早産」によってこの世に現れた、脳髄の未成熟な「頼りない能なし」であるヒトの新生児は、長期にわたる「家族」の緊密な庇護のもとに成長する。どのようにも変えうる可能性を秘めたこの未成熟で柔らかな脳髄は、「家族」といういわば原初的社会の刺激を繰り返し受けつつ、他の哺乳類には見られない、人間に特有な異常な発達を遂げていく。
この「家族」を基盤に、人間発達のその他の3つの事象、すなわち「言語」、「直立二足歩行」、「道具」が相互に緊密に作用し合い、連動しつつ、人間の脳髄のさらなる発達を促していく。
すべての動物がそうであるように、人間も自然との間の物質代謝過程の中ではじめて、生命を維持していくことができる。人間の場合、この物質代謝過程を成立させているのが労働である。この人間労働は、自然を変えると同時に、人間自身をも変革し、人間に特有の脳髄の発達をさらに促していく。
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