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新著『世界に誇る日本国憲法 究極の具現化 新生「菜園家族」日本 ―東アジア民衆連帯の要―』(本の泉社)が刊行されました!

 このたび、新著『世界に誇る日本国憲法 究極の具現化 新生「菜園家族」日本 ―東アジア民衆連帯の要(かなめ)―』(小貫雅男・伊藤恵子 著、本の泉社、A5判並製・384頁、2019年9月)が刊行されました。

表紙『新生「菜園家族」日本―東アジア民衆連帯の要―』(小貫雅男・伊藤恵子、本の泉社、2019年9月)

 

 

世界に誇る日本国憲法 究極の具現化
  新生「菜園家族」日本
 ―東アジア民衆連帯の要(かなめ)

小貫雅男・伊藤恵子 著
本の泉社 http://www.honnoizumi.co.jp/
A5判並製・384頁、2019年9月発行
定価:本体2,500円+税

 

◆本書の要旨◆

             世界は変わる
            人が大地に生きる限り

         「菜園家族」の未来構想の根底には
         人々の心に脈々と受け継がれてきた
         大地への回帰と止揚(レボリユーシヨン)という
         民衆の揺るぎない歴史思想の水脈が
         深く静かに息づいている。

           まさにこの民衆思想が
           冷酷無惨なグローバル市場に対峙し
           素朴で精神性豊かな21世紀未来社会への
           新たな局面を切り拓く。

         世界に誇る日本国憲法 究極の具現化
         新生「菜園家族」日本が
         「東アジア世界」の分断と対立の
         長き歴史に訣別を告げ
         やがて東アジア民衆の連帯に
         先鞭をつけるにちがいない。

           混迷と保身の「令和」の時代
           たとえそれがどんな時代になろうとも
           あなたの夢を忘れないで。

                       ~扉のことばより~

       小さな「地域」から覗く世界の真実

         東アジアの片田舎の小さな「地域」
         人知れず権力と闘った
         民衆の苦闘の姿を見つめ
         この地域世界の特質と課題を明らかにし
         21世紀、私たちの未来への展望を探る。

                       ~帯(ウラ)のことばより~

 以下に、目次と著者からのメッセージを掲載します。
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新著『菜園家族レボリューション ―日本国憲法、究極の具現化―』(本の泉社)が刊行されました!

 このたび2018年2月3日に、新著『菜園家族レボリューション ―日本国憲法、究極の具現化―』(小貫雅男・伊藤恵子 著、本の泉社、A5判160頁)が刊行されました。
 多くの方々にお読みいただきたいと願っています。

表紙『菜園家族レボリューション―日本国憲法、究極の具現化―』(小貫雅男・伊藤恵子、本の泉社、2018年2月)

 

 

 

 

『菜園家族レボリューション
 ―日本国憲法、究極の具現化―
(小貫雅男・伊藤恵子 著、本の泉社
 A5判160頁、2018年2月3日発行、
 定価:本体1,200円+税)

 

           21世紀人々は、前人未踏の
           おおらかな自然(じねん)の世界を求め
           大地への壮大な回帰と止揚(レボリューション)の道を歩みはじめる。

             根なし草同然となった
             近代特有の人間の生存形態
             賃金労働者を根源的に問い直し

           冷酷無惨なグローバル市場に対峙して
           抗市場免疫の「菜園家族」を基礎に
           素朴で、精神性豊かな生活世界を構築する。

             憎しみと報復の連鎖に代えて
             非武装・不戦の誓いを
             いのちの思想を
             暮らしの根っこから。

           今こそ近代のパラダイムを転換する。

                            ~扉のことばより~

≪本書の主旨≫
 私たちは鳥籠に飼い馴らされ、本来の野性を失い、いつの間にか歌を忘れたカナリアになってしまったのではないか。このこと自体が、実に恐るべきことなのだ。
 俗物トランプ流の反知性と自己本位の拝金主義の蔓延、そしてアベ流改憲のこざかしさと欺瞞に満ちた反動攻勢の風圧に押され、いつのまにか自由な思考と創造の世界に羽ばたくことを忘れてしまったようだ。狭い枠に閉じ込められ、果てには破滅の坂を転がり落ちていったかつての時代の記憶が甦ってくる。実におぞましい時代に突入したのである。

         今だからこそ、別次元の思考と行動力を

            超大国アメリカが
            徒党を組み画策する
            弱小国への
            異常なまでの軍事圧力と経済制裁。

              この狂気の沙汰が誘引する
              核の導火線に怯え
              本質を忘れ
              冷静さを失ってはならない。

            私たちは
            はるか遠い未来を
            展望するに足る
            山頂に立ち得た時

              あの忌まわしい
              強権的為政者たちの
              欲深い、けちな取引とは
              まったく別次元の
              思考と行動力を獲得するのだ。

                              ~本文 第一章より~

 1990年代初頭、第二次大戦後の世界を規定してきた米ソ二大陣営の対立による冷戦構造が崩壊し、アメリカ単独覇権体制が成立することになる。しかしそれも束の間、アメリカ超大国の相対的衰退傾向の中、その弛緩に乗ずるかのように、旧来の伝統的大国に加え、新興大国が入り乱れる新たな地球規模での多元的覇権争奪の時代がはじまった。アベノミクスの「経済大国」、「軍事大国」への志向は、まさにこの新たな時代に現れた21世紀型の「新大国主義」とも言うべきその本質が、直截的、具体的に現実世界に投影された姿そのものと見るべきであろう。
 21世紀型「新大国主義」の台頭とも言うべき、今日の新たな歴史的段階に突入し、戦争の危機迫るこの暗い世界にあって、日本国憲法のなかんずく前文および第九条「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認」の精神は、いよいよ燦然と輝き、私たちの行く手を照らしている。この第九条こそ、大国主義への誘惑を排し、他者に対する深い寛容の精神と、非同盟・中立、非武装・不戦の平和主義に徹した小国主義への道である。

 このいのちの思想を今日の現実世界において如何にして実現していくのか。
 本書では、その可能性をわが国の経済・社会のあり方、つまり、21世紀未来社会論としての「菜園家族」構想の側面から探究する。
 これまで十数年間、数次にわたって提起してきた「菜園家族」構想による21世紀の新たな未来社会像について、日本国憲法の三原則「平和主義」、「基本的人権(生存権を含む)の尊重」、「主権在民」を基軸とする全条項の具現化との関わりにおいて、特に大切になってくる核心部分に絞って、章を追って順次究明していく。

 「菜園家族」構想による未来社会の長期にわたる実現過程は、日本国憲法全条項の究極の具現化への道そのものであり、さらには、それぞれの条項を個々バラバラなものとしてではなく、相互に内的に密接、有機的に連関させつつ、その理念を民衆の暮らしの中に深く浸透させ、現実社会に丸ごと実体化していくプロセスそのものでもある。
 そしてまた、日本国憲法と私たちの暮らしとの不可分一体化を成し遂げていくこの過程は、同時に、人間社会の生成・進化の原理が自然界の摂理とも言うべき「適応・調整」の普遍的原理に限りなく近づき、「菜園家族」を基調とするCFP複合社会を経て、人間を抑圧の苦渋から最終的に解放し、自由・平等・友愛のおおらかな「自然(じねん)の世界」、つまり近代を超克する素朴で精神性豊かな自然循環型共生社会へと到達するプロセスでもあるのだ。
 そこに、日本国憲法と「菜園家族」構想との一体的連関性と、そこから新たに生まれ展開する、前代未到の21世紀独自のレボリューションとしての真価を見出すことができる。

 以下に目次と著者からのメッセージを掲載します。
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新著『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―』(かもがわ出版)が刊行されました!

 このたび新著『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―』(小貫雅男・伊藤恵子 著、かもがわ出版、四六判384頁、2016年10月)が刊行されました。ぜひご一読ください。

表紙『菜園家族の思想―甦る小国主義日本―』(小貫雅男・伊藤恵子、かもがわ出版、2016年)

(帯付き)

 

 

 

 

『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―
(小貫雅男・伊藤恵子 著、かもがわ出版
四六判384頁、2016年10月31日発行、
定価:本体2,500円+税)

 

 

飽くなき欲望の巨大怪物、グローバル市場に対峙し
今こそ、近代超克の大地への回帰と止揚を

抗市場免疫の「菜園家族」型ワークシェアリングによる
もともとあったはずの自由な時間の回復と
素朴で、精神性豊かなライフスタイルの創造。

憎しみと暴力の連鎖に代えて、寛容と共生の思想を暮らしの根っこから。

                       ~帯(表)のキャッチフレーズより~

「菜園家族」の未来構想の根底には、
人々の心に脈々と受け継がれてきた
大地への回帰と止揚という
民衆の揺るぎない歴史思想の水脈が息づいている。

まさにこの民衆思想が
21世紀未来社会論の新たな局面を切り拓く。

               ~帯(裏)のキャッチフレーズより~

 「菜園家族」の真髄は、燦々と降りそそぐ太陽のもと大地を耕し、雨の恵みを受けて作物を育て、その成長を慈しむことにある。天体の運行にあわせ、自然のゆったりとした循環の中に身をゆだね、子供たちも、大人たちも、年老いた祖父母たちも、ともに助け合い、分かち合い、仲良く笑顔で暮らす。それ以外の何ものでもない。
 人と競い、争い、果てには他国への憎しみを駆り立てられ、殺し合う。そんな戦争とは、「菜園家族」はもともと無縁である。残酷非道な、それこそ無駄と浪費の最たる前世紀の遺物「人を殺す道具」とは、無縁なのである。「菜園家族」は、世界に先駆けて自らの手で戦争を永遠に放棄し、自らも大いなる自然に溶け込むように、平和に暮らすよすがを築いていくにちがいない。
                           ~「むすびにかえて」より抜粋~

資本主義固有の不確実性と投機性が露わになった今
大地から引き離され、根なし草同然となった近代の人間の生存形態
賃金労働者を根源的に問い直す。
 強欲、冷酷無惨なグローバル市場に対峙し
 近代を超克する抗市場免疫の新たな「菜園家族」を基礎に
 素朴で、精神性豊かな自然(じねん)世界への壮大な回帰と止揚の道を切り拓く。

21世紀、この基本方向をどう実現していくのか。
本書はその具体的な道筋と手立てを提示する。

                        ~カバー折返しの要旨紹介より~

帯なし表紙『菜園家族の思想―甦る小国主義日本―』(小貫雅男・伊藤恵子、かもがわ出版、2016年)

(帯をはずすと)

 

 

 

 

『菜園家族の思想 ―甦る小国主義日本―
(小貫雅男・伊藤恵子 著、かもがわ出版
四六判384頁、2016年10月31日発行、
定価:本体2,500円+税)

 

― 目 次 ―

はしがき  (1)

序章 憎しみと暴力のるつぼと化した世界、そこから立ち上がる新たな理念  (25)

1 世界の構造的不条理への反旗 (25)
― 今問われているのは私たちのライフスタイルそのもの ―
資本主義が陥った末期的症状
あらためてアルジェリア人質事件を思い起こす

2 東日本大震災から希望の明日へ  (29)
あのときの衝撃を一時の「自粛」に終わらせてはならない
「原発安全神話」の上に築かれた危うい国
財界の意を汲む復興構想の末路
21世紀未来像の欠如と地域再生の混迷 ― 上からの「政策」を許す土壌
新たな21世紀の未来社会論を求めて

第一章 21世紀未来構想の問題意識、求められるその方法論の革新  (45)

1 末期重症の資本主義と機能不全に陥った近代経済学  (46)
― 21世紀未来社会論のさらなる深化のために ―
近代を超えて遥かな地平へ
新古典派から抜け出たケインズ理論
経済の金融化と新自由主義、マネタリズムの登場
暴走するマネー経済と疲弊する現実社会
近代経済学を超えて、草の根の21世紀未来社会論を

2 19世紀未来社会論の到達点と限界  (59)
人類の歴史を貫く民衆の根源的思想
19世紀に到達したマルクスの未来社会論
19世紀未来社会論に代わる私たち自身の21世紀未来社会論を

3 21世紀未来社会論、その方法論の革新  (68)
21世紀の今日にふさわしい新たな歴史観の探究を
未来社会論の基底に革新的地域研究としての「地域生態学」を据える
― 21世紀社会構想の変革のために

第二章 私たちは何とも不思議な時代の不思議の国に生きている  (75)
― いのち削り、心病む終わりなき市場競争 ―

1 今なぜ近代の人間の社会的生存形態「賃金労働者」を問い直すのか  (77)

2 生命本位史観に立脚し「家族」と「地域」の再生を探る  (83)
いのちの再生産とモノの再生産の「二つの輪」が重なる家族が消えた
高度経済成長以前のわが国の暮らし ― かつての森と海を結ぶ流域地域圏
森から平野へ移行する暮らしの場
歪められ修復不能に陥ったこの国のかたち
「家族」と「地域」衰退のメカニズム ― 干からびた細胞
再生への鍵 ―「家族」と「地域」を基軸に

第三章 人間はなるべくして人間になった ― その奇跡の歴史の根源に迫る ―  (93)

人間とは、「家族」とは一体何か
「家族」の評価をめぐる歴史的事情
人間の個体発生の過程に生物進化の壮大なドラマが
母胎の中につくられた絶妙な「自然」
人間に特有な「家族」誕生の契機
「家族」がもつ根源的な意義
人間が人間であるために

第四章 「菜園家族」構想とその基礎  (111)
― 21世紀の「地域生態学」的未来社会論 ―

生産手段の分離から「再結合」の道へ ―「自然への回帰と止揚」の歴史思想
「菜園家族」構想の理念とその歴史的意義
週休(2+α)日制のワークシェアリングによる三世代「菜園家族」構想
世界に類例を見ないCFP複合社会 ― 史上はじめての試み
CFP複合社会の特質
甦るものづくりの心、ものづくりの技
土が育むもの ― 素朴で強靱にして繊細な心
家族小経営の歴史性と生命力

第五章 「菜園家族」構想の現実世界への具体的適用とその展開  (143)
― 実現可能性を探る ―

日本の農村・農業の現実 ― 反転、そして再生へ
“菜園家族群落”による日本型農業の再生 ― 高度な労農連携への道
農地とワークの一体的シェアリング ― 公的「農地バンク」、その果たす役割
草の根民主主義熟成の土壌 ― 森と海を結ぶ流域地域圏の再生

第六章 「匠商家族」と地方中核都市の形成  (165)

非農業基盤の家族小経営 ―「匠商家族」
「匠商家族」とその協同組織「なりわいとも」
「なりわいとも」と森と海を結ぶ流域地域圏の中核都市
「なりわいとも」の歴史的意義
前近代の基盤の上に築く新たな「協同の思想」

第七章 高度経済成長の延長線上に現れた3・11の惨禍  (183)

高度経済成長が地域にもたらしたもの
今日の歪められた国土構造を誘引し決定づけた『日本列島改造論』
『日本列島改造論』の地球版再現は許されない
今こそ「成長神話」の呪縛からの脱却を

第八章 「菜園家族」の台頭と資本の自然遡行的分散過程  (201)

資本の自己増殖運動と科学技術
資本の従属的地位に転落した科学技術、それがもたらしたもの
GDPの内実を問う ― 経済成長至上主義への疑問
資本の自然遡行的分散過程と「菜園家族」の創出
新たな科学技術体系の生成・進化と未来社会

第九章 自然循環型共生社会への現実的アプローチ  (217)
― 四つの具体的提案を基軸に考える ―

21世紀こそ草の根の変革主体の構築を ―「お任せ民主主義」の限界と破綻

その1 原発のない低炭素社会への道、その究極のメカニズム  (220)
「菜園家族」の創出は、地球温暖化を食い止める究極の鍵
原発のない低炭素社会へ導く究極のメカニズム ― CSSK方式
CFP複合社会への移行を促すCSSKメカニズム
CSSK特定財源による人間本位の新たなる公共的事業
本物の自然循環型共生社会をめざして

その2 今こそ地域社会の本格的な実態把握を ― 新たなる未来の明日のために  (230)
アベノミクスの「地方創生」は積年の悪弊の延長にすぎない
一つの具体的「地域」典型から、今何をなすべきかを考える
市町村における地域再生の本当の鍵は、農業・農村問題の解決である
地域社会には、今こそ精密検査による根本的な原因療法がもとめられている
本物の民主主義の復権と地域の再生

その3 「菜園家族」じねんネットワーク(SJnet)の構築、その多彩で豊かな展開  (241)
自然(じねん)の原理によって生まれ育つSJnet
SJnetの活動とその原理 ― 自主、自発の原則
労働組合運動の驚くべき衰退、そこから見えてくるもの
21世紀の労働運動と私たち自身のライフスタイル ―「菜園家族」の新しい風を
多彩で自由な人間の活動 ― 底から支える力

その4 「菜園家族」じねんシンクタンク(SJTT)創設の意義  (250)
SJnetを土台に築く草の根のシンクタンク
草の根の叡知の結集こそが新たな時代を切り拓く

第十章 「菜園家族」を土台に築く円熟した先進福祉大国  (253)
― 近代を超克する社会保障制度を探る ―

原理レベルから考える「自助、共助、公助」
「家族」に固有の機能の喪失とこの国破綻の根源的原因
スモール・イズ・ビューティフル ― 巨大化の道に抗して
「家族」に固有の福祉機能の復活と高次社会保障制度
「菜園家族」を土台に築く円熟した先進福祉大国への可能性
近代を超克する円熟した先進福祉大国をめざす新たな国民運動の形成
「家族」と「地域」の再生は不可能なのか
「家族」と「地域」の再生をゆるやかな変化の中で捉える ― 諦念から希望へ
「お任せ民主主義」を排し、何よりもまず自らの主体性の確立を
― そこにこそ生きる喜びがある

第十一章 近代を超克する「菜園家族」的平和主義の構築  (281)
― いのちの思想を現実の世界へ ―

日本国憲法の平和主義、その具現化の確かな道を求めて
アベノミクス主導の解釈改憲強行の歴史的暴挙
あらためて日本国憲法を素直に読みたい
アベノミクス「積極的平和主義」の内実たるや
「自衛」の名の下に戦った沖縄戦の結末は
「巨大国家の暴力」と「弱者の暴力」との連鎖をどう断ち切るか
憲法第九条の精神を生かす新たな提案 ― 自衛隊の「防災隊」(仮称)への発展的解消
非戦・平和構築の千里の道も一歩から
非戦・平和の運動に大地に根ざした新しい風を
戦後70年、もう一度初心にかえり世界の人々に呼びかけよう

第十二章 今こそ近代のパラダイムを転換する  (301)
― 生命本位史観に立脚した21世紀未来社会論 ―

未踏の思考領域に活路を探る
人間の新たな社会的生存形態が、21世紀社会のかたちを決める
自然界を貫く「適応・調整」の普遍的原理
自然法則の現れとしての生命
自然界の普遍的原理と21世紀未来社会
CFP複合社会を経て高次自然社会へ ― 労働を芸術に高める
未来社会を身近に引き寄せる「セクターC、F、Pの対立と依存の展開過程」
形骸化した民主主義の現状と「生産手段の再結合」
より高次のFP複合社会における生産手段の所有形態をめぐって
ここで確認しておきたいいくつかの要諦

むすびにかえて ― 自然(じねん)の思想を現実の世界へ ―  (331)

人間社会の生成・進化を律する原理を自然界の「適応・調整」の普遍的原理に戻す
自然への回帰と止揚、これこそが人間の本源的な歴史思想である
自然観と社会観の分離を排し、両者合一の思想をすべての基礎におく
混迷の時代だからこそ見失ってはならない未来社会への展望、そしてゆるぎない確信
日本国憲法のもとではじめて甦る「未発の可能性」としての小国主義

あとがき ―「世界でいちばん貧しい大統領」ホセ・ムヒカさんの思想との交歓 ― (347)

引用・参考文献一覧 (362)

著者からのメッセージ
 東日本大震災の未曾有の事態に直面し、歴史の大きな転換期にあるにもかかわらず、旧態依然たる上から目線の政策が次々と押しつけられ、後退に後退を余儀なくされているのが現状です。「地域」や「労働」の現場に生きる人々の立場に立った、かつ21世紀日本のめざすべき方向を見据えた包括的な研究と実践、それに基づく未来構想とそこに至る具体的な道筋の探究が、今ほどもとめられている時もありません。
 一方、世界に目を転ずるならば、米ソ二大対立の終焉は多元的覇権抗争の「新大国主義時代」とも言うべき新たな局面を招来し、グローバル市場化はさらなる熾烈を極めています。各地の民衆の生活基盤は揺らぎ、人々の不満と怒りの鬱積は頂点に達し、憎悪と暴力の連鎖はとどまることを知りません。今や世界は、自己制御不能の危機的状況にすら陥っていると言えるでしょう。
 私たちはどのような未来をめざすべきなのか、人類史の長いスパンの中で18世紀イギリス産業革命以来の近代を、自然と人間、人間と人間との関係からあらためて深く問い直す時に来ているのではないでしょうか。
 戦後70年、重大な岐路に立たされている今こそ、どこかで誰かによっていつの間にか自らの運命が決められてしまう「お任せ民主主義」を克服し、自らの頭で自らのすすむべき道を選び、主体的に考え行動する、そんな主権在民のあるべき姿を取り戻したい・・・。
 こうした思いから、本書をまとめました。
 憎しみと対立の連鎖が拡大の一途を辿る今日の世界にあって、この小著が近代を超克する新たな視点から、寛容と共生の21世紀社会の枠組みを探るささやかな一助になればと願っています。

2016年10月
里山研究庵Nomad
小貫雅男・伊藤恵子

★ 本書へのご感想・ご意見などを、お手紙やメールで里山研究庵Nomadまでお寄せ下さい。
お待ちしています!

最新刊『グローバル市場原理に抗する 静かなるレボリューション ―自然循環型共生社会への道―

海図なき時代に贈るこの一冊

人類の目指す終点は
遙かに遠い未来である
それでも、それをどう描くかによって
明日からの生き方は決まってくる

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題名 グローバル市場原理に抗する 静かなるレボリューション ―自然循環型共生社会への道―
著者 小貫雅男・伊藤恵子
出版社 御茶の水書房
発行年月 2013年6月
判型・ページ A5判、369ページ
定価 本体3,800円+税
ISBN 9784275010353

 21世紀人々は大地への回帰と人間復活の高度自然社会への壮大な道を歩み始める。

 週休五日制の「菜園家族」型ワークシェアリングのもと、家族を、そして地域を基盤に築く市場原理に抗する免疫的自律世界、大地に根ざした精神性豊かな生活世界の創造。
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ブックレット『森と湖(うみ)を結ぶ 菜園家族 山の学校』

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題名 森と湖(うみ)を結ぶ 菜園家族 山の学校
著者 小貫雅男・伊藤恵子
発行 里山研究庵Nomad
発行年月 2009年
判型・ページ A5判、106ページ
定価 頒価:200円(送料別)ご注文・お問い合わせ先、里山研究庵Nomad

  
 人々の出会いが、語らいが、21世紀の明日を拓く。
 鈴鹿山中・大君ヶ畑集落の休園となった保育園を再活用した「菜園家族 山の学校」を拠点に、森と琵琶湖を結ぶ犬上川・芹川流域地域圏(彦根市・多賀町・甲良町・豊郷町の一市三町)を視野に、自由で自主的な学びあいと地域再生の活動の夢を描く。

この本の詳しい内容を見る
本書発行の経緯

 年々深刻の度を増している「限界集落」の現状を何とか打開し、次の世代に希望をつなげる新たな活動をスタートさせようと、ここ大君ヶ畑では、2007年の夏以来、「菜園家族 山の学校」の開校にむけて準備を続けてきた。

 これは、1999年3月をもって休園となった集落内の旧保育園を再活用し、この地域の自然や歴史を礎に、これまで地元で続けられてきた地道な地域づくりの伝統と経験を活かしながら、21世紀にふさわしい、自然循環型共生の健康で清新な生活と文化の創造をめざすものである。

 2009年8月8日に大君ヶ畑で開催された「限界集落サミット」では、「菜園家族 山の学校」がめざす活動や、地域未来の新たな展望を示す「菜園家族」構想の大まかな内容をまとめたこのブックレット『森と湖(うみ)を結ぶ 菜園家族 山の学校』が参加者のみなさんに配布された。

「限界集落サミット」の詳しいご報告は、こちらをご覧ください。

目次

  はじめに
  プロローグ 私たちはどこから来て、どこへ行こうとしているのか

  1. 週休五日制の三世代「菜園家族」構想
  2. いのち輝く「菜園家族」
  3. 「菜園家族」が育つ場、「菜園家族」を育てる力
  4. 近江国に21世紀の未来を探る
  5. おおらかな学びあいの場、温もりある人間の絆

  エピローグ はるけき空の彼方に
  あとがき

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『菜園家族21 ―分かちあいの世界へ―』

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題名 菜園家族21 ―分かちあいの世界へ―
著者 小貫雅男・伊藤恵子
出版社 コモンズ
発行年月 2008年6月
判型・ページ B6判、255ページ
定価 本体2,200円+税
ISBN 9784861870491

     
 国破れて山河あり。どっこい菜園家族は生きていく。
 容赦なく貶められる人間の尊厳、差し迫る地球環境の破局的危機・・・。市場万能主義に安住していては、地球温暖化は防げない。「菜園家族」構想は、地球の破局を回避し起死回生をはかる、今や私たちに残された唯一の道である。

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要旨紹介

国破れて山河あり
どっこい菜園家族は生きていく

投機マネーに翻弄される世界経済。原油・穀物価格の高騰と世界的規模での食料危機。
国内農業を切り捨て、農業・農村を荒廃させ、食料自給率39%に陥った日本。
輸入してまで食べ残すこの不思議な国に、はたして未来はあるのでしょうか。

いのち削り、心病む、終わりなき市場競争

失業者、日雇いや派遣など不安定労働、「ワーキングプア」の増大。
競争と成果主義にかき立てられた過重労働、蔓延する心身の病。
医療・介護・年金など、社会保障制度の破綻。
家族、地域の崩壊、子どもの育つ場の深刻化。
明日をも見出すことができずに、使い捨てにされる若者たち・・・。

貶められても、貶められても、それでも・・・

 これほどまでに人間の尊厳が貶められながら、これほどまでに欲しいまま振る舞う「政治」を、これほどまでに長きにわたって許してきた時代も、珍しいのではないでしょうか。
 それは、氾濫する雑多な情報に振り回され、ますます肥大化する欲望に翻弄された現代社会の病弊の為せる業なのかも知れません。

今こそパラダイムの転換を

 市場競争至上主義のアメリカ型「拡大経済」の弊害と行き詰まりが浮き彫りになった今、18世紀イギリス産業革命以来、二百数十年間、人びとが拘泥してきたものの見方、考え方を支配する認識の枠組み、つまり、既成のパラダイムを根底から変えなければ、どうにもならないところにまで来ています。

 大地から引き離され、根なし草となった「現代賃金労働者(サラリーマン)」という人間の存在形態は、果たして永遠不変のものなのでしょうか?
 今、あらためて、人類史を自然界の生成・進化の中に位置づけて捉え直し、新たなパラダイムのもとに、未来社会を展望することが求められています。

人間のライフスタイルは変わる

 産業革命の到来とともに、人間の暮らしは、中世の循環型社会から大きな変貌を遂げます。新たに登場した資本主義は、不況と恐慌を繰り返し、人びとを失業と貧困の淵に追いやるとともに、他方では、人間の欲望をますます肥大化させ、その渦の中に巻き込んでいきます。

 こうした中、人びとは、資本主義の弊害と矛盾を乗り越えようと、新たな社会の枠組みを模索しました。19世紀、人類が到達したこの資本主義超克の未来社会論の核心は、社会的規模での生産手段の共同所有と、これに基づく共同管理・共同運営でした。

 20世紀末、ソ連・東欧の「社会主義」体制の崩壊によって、人類の理想への実験は挫折しました。
 その欠陥と崩壊の原因がようやく明らかになってきた今、それにかわる道として、生産手段の共同所有ではなく、あえて、生産手段(農地と生産用具・家屋など)と現代賃金労働者との「再結合」が新たに浮上してきます。

 この「再結合」を果たすことによって、衰退した「家族」は甦り、この「家族」を基礎に、「自立と共生」の多重・重層的な生き生きとした社会的基盤が築かれます。
 つまり、土壌学でいうところの、ミミズや微生物など多様な生き物が共存し、作物がよく育つ、肥沃でふかふかとした団粒構造の土づくりからやりなおし、自然循環型共生社会をめざすのです。

 この回帰と止揚の弁証法に基づく未来社会論が、21世紀の新たな道として、必然的に登場してくることになるでしょう。

 これが、週休五日制のワークシェアリングによる「菜園家族」(賃金労働者と農夫の二重化された人格)という、人類史上、未だかつて見られなかった、精神性豊かな人間の存在形態の創出であり、これを基調とするCFP複合社会※を経て、自由・平等・友愛の高度自然社会へ至る道なのです。

※CFP複合社会
Cは資本主義セクターC(Capitalism)
Fは家族小経営(「菜園家族」)セクターF(Family)
Pは公共セクターP(Public)である。

森と海(湖)を結ぶ流域地域圏

 もとより「菜園家族」は、単独では生きていけません。また、グローバル経済が席捲する今、ひとりでに創出されるものでもありません。
 「菜園家族」を育むゆりかごとして、かつて高度経済成長期以前までは、生き生きと息づいていた、循環型の“森と海(湖)を結ぶ流域地域圏(エリア)”を思い起こし、今日の熾烈なグローバル経済の対抗軸として、その地域圏の再生を考えなければなりません。

 この本では、近江国(おうみのくに)の一角に、「犬上川・芹川∽鈴鹿山脈」流域地域圏という地域圏モデルを設定し、この個別具体的な一地域圏にこだわり、都市と農村をホリスティック(全一体的)に捉え、深く掘り下げることによって、自然循環型共生社会の構築の普遍につながる理論と、実践の指針を探ろうとしています。

低炭素社会への新たなメカニズムを

 今、世界の人びとは、地球温暖化の差し迫る破局的危機に直面し、この危機回避の重い課題を背負わされています。
 しかし、地球環境の問題は、「浪費が美徳」の市場万能主義に安住していては、決して解決することはできないでしょう。
 「菜園家族」構想は、市場競争に翻弄され、貶められた人間の尊厳を回復し、地球破局の淵から起死回生をはかる、唯一残された道なのです。

 本書では、経済成長と地球環境の保全とのジレンマに陥っている、省エネ技術開発やCO2排出量取引制度など、今日の「温暖化対策」の限界を克服すべく、それとは異なる新たな角度から、その解決に迫ろうとしています。
 つまり、CO2削減の営為が、ただ単にその削減だけにとどまることなく、同時に、次代のあるべき社会の新しい芽(「菜園家族」)の創出へと自動的に連動する、新たなメカニズムの創設です。

 この「CSSKメカニズム」の導入によって、地球温暖化の元凶である市場競争至上主義「拡大経済」は基底部からゆっくりと、しかも着実に変革され、「菜園家族」を基調とする新たな社会、すなわち、自然循環型共生社会への道は、確実に促されていきます。
 その結果として、今日、IPCCなどで提起されている、「2050年までにCO2排出量を半減する」という国際公約も、現実に果たされることになるでしょう。

 こうして、自然との融和を基調とする分かちあいの世界へと、道は開かれていくのです。

おおらかな学びあいの場と温もりある人間の絆を

 「教育」の現場が、「研究」の現場が、そして社会が閉塞状況に陥り、生気を失っている今、戦後の焦土の中から芽生えたあの“めだかの学校”の生き生きとした、自由で平等で友愛に満ちた精神は、目にまばゆいまでに新鮮です。

 私たちは、このいのち輝くみずみずしい精神を、子どももおとなも世代を超えて、もう一度、何とか取り戻したいと願うのです。
 自然循環型共生社会への道も、こうした願いを叶える小さな努力から、その第一歩がはじまるのだと思います。

 その具体的な取り組みとして、琵琶湖に注ぐ犬上川・芹川流域の最奥の過疎山村・大君ヶ畑(おじがはた)では、この森の集落に佇む今は休園となった小さな保育園を拠点に、「研究」・「教育」・「交流」を全一体的に捉えた新しい学びあいの場、「菜園家族 山の学校」のスタートに向けて、動きはじめようとしています。

  21世紀、人びとは、素朴な精神世界への回帰と

   人間復活の壮大な道を歩めはじめるのです。

目次

プロローグ 国破れて山河あり

第1章「辺境」からの視点

  1. モンゴル『四季・遊牧』から「菜園家族」構想へ
  2. 森と琵琶湖を結ぶ十一の流域地域圏
  3. 里山研究庵と調査活動の進展
  4. “菜園家族 山の学校”から広がる展望

第2章 人間復活の「菜園家族」構想

  1. 「菜園家族」構想の理念と原理
    • 民話『幸助とお花』の世界
    • 蔑ろにされた先人の思い、分断された流域循環
    • 大地を失い、衰退する家族 ―「競争」の果てに
    • 家族と地域再生の基本原理 ―生産手段との再結合
  2. 「菜園家族」構想とCFP複合社会
    • 週休五日制の三世代「菜園家族」構想
    • CFP複合社会の創出 ―人類史上、はじめての挑戦
    • CFP複合社会の特質
    • 二一世紀の新しい地域協同組織「なりわいとも」
  3. 自然の摂理と「菜園家族」
    • 自然界を貫く「適応・調整」原理
    • 自然法則の現れとしての生命
    • 自然界の原理に適った週休五日制のワークシェアリング
    • 二一世紀“高度自然社会”への道
  4. 地球温暖化と「菜園家族」
    • 早急に求められる地球温暖化への対応
    • 日本の取り組みの限界
    • もはや元凶の変革は避けては通れない
    • 「菜園家族」の創出は地球温暖化を食い止める究極の鍵
    • 子どもや孫たちの未来を見据えて
    • 日本の、そして世界のすべての人びとが心に秘める終生の悲願
    • 「環境先進社会」に学ぶ
    • 排出量取引制度を超える方法を探る
    • 低炭素社会へ導く究極のメカニズムCSSK方式

第3章 グローバル経済の対抗軸としての地域
      ―森と海(湖)を結ぶ流域地域圏再生への道

  1. 中規模専業農家と「菜園家族」による田園地帯の再生
    • 農業規模拡大化路線の限界
    • “菜園家族群落”は今日の農政の行き詰まりを打開する
  2. 「森の菜園家族」による森林地帯の再生
    • 荒廃する山の集落と衰退の原因
    • かつては賑わった最奥の集落・大君ヶ畑
    • 大君ヶ畑の暮らし ―ある老夫婦の半生から
    • 「御上」に振り回されて・・・
    • 森の再生は「森の民」だけが担う課題ではない
    • 森の再生は「森の菜園家族」の創出から
    • 「森の菜園家族」の具体的イメージ ―森の多様性を取り込み、木を活かす
    • 「森の菜園家族」の「なりわいとも」
    • 山の活用に斬新な発想を ―尾根づたい高原牧場ベルトライン
    • 伊那谷の家族経営牧場に学ぶ
    • 集落衰退に拍車をかけた分校の統廃合
    • 地域における学校の役割
    • 二一世紀、都市から森への逆流が始まる
  3. 「匠商(しょうしょう)家族」が担う中心街と中核都市
    • 非農業基盤の零細家族経営と中小企業
    • 「匠商家族」とその「なりわいとも」
    • 「匠商家族のなりわいとも」の歴史的使命
    • 犬上川・芹川流域地域圏における「匠商家族」と、その「なりわいとも」

第4章 地域再生に果たす国と地方自治体の役割

  1. 公的「土地バンク」の設立 ―農地と勤め口(ワーク)のシェアリング
  2. 「菜園家族」のための住宅政策 ―戦後ドイツの政策思想に学ぶ
  3. 新しい地域金融システムと交通システムの確立
  4. 流域地域圏における地方自治のあり方

第5章 “菜園家族 山の学校” その未来への夢

  1. “めだかの学校”を取り戻す
  2. 新しい「地域研究」の創造をめざして ―「在野の学」の先進性
  3. おおらかな学びあいの場と温もりある人間の絆を
  4. 諦念に沈む限界集落
  5. 再起への思い

エピローグ 分かちあいの世界へ
   苦難の道を越えて
   いのちの思想を現実の世界へ
   まことの「自立と共生」をめざして

あとがき

参考文献

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『菜園家族物語 ―子どもに伝える未来への夢へ―』

monogatari

題名 菜園家族物語 ―子どもに伝える未来への夢―
著者 小貫雅男・伊藤恵子
出版社 日本経済評論社
発行年月 2006年11月
判型・ページ A5判、373ページ
定価 本体2,800円+税
ISBN 9784818818873

 子どもたちの小さないのちは、その一つ一つまでもが、実に生き生きと、個性的に輝いている。 むごいことに時代は、不条理の苦しみの世界に小さないのちを追い込んでいく。いのち削り、心病む、終わりなき市場競争。この市場原理至上主義アメリカ型「拡大経済」日本から、いのち輝く「週休5日制」の農的生活への転換を説く。

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本書の特長

 本書『菜園家族物語 ―子どもに伝える未来への夢―』をまとめるにあたっては、挿絵や版画、歴史的な写真、資料など、図版190点余を織り込み、読みやすく、より理解が深まるよう工夫しました。これら多数の貴重な図版は、画家・研究者・市民活動家・農山村集落のみなさん・ゼミ卒業生・出版社・新聞社等、様々な分野の方々のご協力とご厚意により、掲載させていただくことができました。ややもすると無味乾燥なものに流れがちなこの本に、みずみずしい豊かな視覚的イメージを添えていただきました。

 挿絵をご提供くださった水野泰子さん(北海道)、前田秀信さん(長崎県)、志村里士さん(滋賀県)・・・、これら3人の方々の作品に共通していることは、今は過去となった情景に徹しながらも、未来への確かなメッセージが伝わってくることです。それは、すっかり失われてしまった人間のあたたかさを、次代へ甦らせたいという、共通の願いがあるからなのかもしれません。

 本書に込められた「子どもに伝える未来への夢」が、読者の方々の胸に多少なりとも息づきはじめることがあるとするならば、これら作品のお陰であると、心より感謝しています。

水野泰子さん、前田秀信さん、志村里士さんの詳しいご紹介は、こちらをご覧ください。

目次

はじめに

第一章 「菜園家族」構想の基礎

  1. 閉塞の時代―「競争」の果てに
      「拡大経済」と閉塞状況  市場原理と家族  「虚構の世界」  生きる原型
  2. 「菜園家族」構想の基礎―週休五日制による
      三世代「菜園家族」  新しいタイプの「CFP複合社会」 主体性の回復と倫理  「菜園家族」の可能性と展望  予想される困難  家族小経営の生命力
  3. 甦る菜園家族
      ふるさと―土の匂い、人の温もり  心が育つ  家族小経営の歴史性
  4. 「菜園家族」構想と今日的状況
      危機の中のジレンマ  誤りなき時代認識を  「構想」の可能性と実効性  誰のための、誰による改革なのか  グローバリゼーション下の選択  二一世紀の “暮らしのかたち” を求めて

第二章 人間はどこからきて、どこへゆこうとしているのか

  1. 新しい生産様式の登場
      道具の発達と人間疎外  市場競争から恐慌へ  そして衰退過程へ  一九世紀イギリスにおける恐慌と二一世紀の現代
  2. 人間復活への新たな思索と実践
      新しい思想家・実践家の登場  ニューハーモニー実験の光と影  資本主義の進展と新たな理論の登場  人間の歴史を貫く根源的思想
  3. 一九世紀、思想と理論の到達点
      マルクスの経済学研究と『資本論』  人類始原の自然状態  自然状態の解体とその論理  資本の論理と世界恐慌
  4. 一九世紀に到達した未来社会論
      マルクスの未来社会論  導き出された「共有化論」、その成立条件  今こそ一九世紀理論の総括の上に  マルクス「共有化論」、その限界と欠陥

第三章 菜園家族レボリューション ~高度自然社会への道~

  1. 資本主義を超克する「B型発展の道」
      生産手段の再結合 「家族」と「地域」の場の統一理論  「B型発展の揺籃期」 「B型発展の本格形成期」 「CFP複合社会」の展開過程
  2. 人間と家族の視点から
      個体発生と「家族」  「家族」がもつ根源的な意義  人間が人間であるために
  3. 自然状態への回帰と止揚
      生産手段「再結合」の意義  「自然社会」への究極の論理 “流域地域圏社会”の特質―団粒構造  自然界を貫く普遍的原理  「高度に発達した自然社会」へ  今こそ、生産力信仰からの訣別を

第四章 森と海を結ぶ菜園家族

  1. 日本列島が辿った運命
      森と海を結ぶ流域循環  森から平野へ移行する暮らしの場  高度経済成長と流域循環  「日本列島改造論」  断ち切られた流域循環  終末期をむかえた「拡大経済」  幻想と未練の果てに  重なる二つの終末期
  2. 森と海を結ぶ「菜園家族」エリアの形成
      森はなぜ衰退したのか  流域地域圏構想と市町村合併問題  二一世紀、山が動く  森が甦る契機  地域政策の重要性  国・地方自治体の具体的役割  エリア再生の拠点としての「学校」
  3. 「家族」と「地域」―共同の世界
      変化の中の「地域」概念  現存「集落」の歴史的性格 “共同の世界” を支えたもの  身近なことから  「集落」再生の意義
  4. 菜園家族エリアの構造、その意義
      「集落」の再生と「なりわいとも」  「菜園家族」と「くみなりわいとも」  基本共同体「村なりわいとも」  森と海を結ぶ「郡なりわいとも」  非農業基盤の「匠商家族」  「匠商家族」と「なりわいとも」  「なりわいとも」とエリア中核都市の展開  「なりわいとも」の歴史的意義

終章 人が大地に生きる限り

    • 歴史における人間の主体的実践の役割  自己鍛錬と「地域」変革主体の形成  未踏の思考領域に活路をさぐる  理想を地でゆく
      文献案内
      あとがきにかえて
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    『森と海を結ぶ菜園家族 ―21世紀の未来社会論―』

    ジャケット装画:柾木 高

    ジャケット装画:柾木 高

    題名 森と海を結ぶ菜園家族 ―21世紀の未来社会論―
    著者 小貫雅男・伊藤恵子
    出版社 人文書院
    発行年月 2004年10月
    判型・ページ A5判、447ページ
    定価 本体2,200円+税
    ISBN 9784409240700

     
     人は、明日があるから、今日を生きるのです。
     21世紀、人々は、人類始原の、自由・平等・友愛の自然状態を夢見て、壮大な回帰と止揚の道を歩みはじめるのです。
     琵琶湖の東、鈴鹿山中の里山研究庵から展望する犬上川・芹川流域地域(彦根市・多賀町・甲良町・豊郷町の一市三町)。この「森と海(湖)」を結ぶ流域循環型の地域圏モデルを舞台に、未来社会への積極的な方向性を提示する。週の2日は従来型の「お勤め」で賃金収入を確保し、あとは自給自足の家庭菜園に従事するという、21世紀世界の新しいタイプの生き方としてのこの一見大胆奇抜に思える「週休5日制」の「菜園家族」構想に内在する思想は、疲弊しきった現代人に思いもかけない逆転の発想をもたらすことであろう。

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    目次

    はじめに

    第一章 「菜園家族」構想の基礎

    1. 閉塞の時代-「競争」の果てに
        「拡大経済」と閉塞状況  市場原理と家族  「虚構の世界」   生きる原型
    2. 「菜園家族」の構想-週休五日制による
        三世代「菜園家族」  新しいタイプの“CFP複合社会”  「菜園家族」の可能性  主体性の回復と倫理  予想される困難  家族小経営の生命力
    3. 大地に明日を描く
        ふるさと-土の匂い、人の温もり  心が育つ  家族小経営の歴史性

    第二章 「菜園家族」構想と今日的状況

    • 危機の中のジレンマ  誤りなき時代認識を  「構想」の可能性と実効性  誰のための、誰による改革なのか  グローバリゼーション下の選択 二一世紀の“暮らしのかたち”を求めて
  • 第三章 「菜園家族」の世界史的位置

    1. 一九世紀、苦闘と思索の足跡
        資本の論理と人間疎外  「恐慌」という名の致命傷に向き合う   新しい思想家・社会改革者の登場   オウエン構想の意義と限界   ニューハーモニー実験の光と影   資本主義の進展と新たな理論の登場  一九世紀、思想と理論の到達点  マルクスの経済学研究と『資本論』
    2. 一九世紀における未来社会論
        人類始原の自然状態  自然状態解体の論理  資本の論理と恐慌 世界恐慌の不可避性と展望  マルクスの未来社会論  導き出された共有化論 共有化の成立条件  共有化論の欠陥と誤り

    第四章 自然社会への道

    1. 生産手段の「再結合」
        B型発展の道  「菜園家族」と「地域」  特性としての揺籃期  B型発展の本格形成期  “CFP複合社会”の展開過程
    2. 人間と家族の視点から
        個体発生と「家族」  「家族」がもつ根源的な意義  人間が人間であるために  生産手段「再結合」の意義  自然社会への究極の原理  高度に発達した自然社会へ

    第五章 日本列島が辿った運命

    • 森と海を結ぶ流域循環  森から平野への移行  高度経済成長と流域循環  「日本列島改造論」  断ち切られた流域循環  終末期をむかえた「拡大経済」 幻想と未練の果てに  重なる二つの終末期
  • 第六章 森と海を結ぶ「菜園家族」

    1. 「菜園家族」と流域循環型地域圏
        森はなぜ衰退したのか  流域地域圏構想と市町村合併問題  二一世紀、山が動く 森が甦る契機  地域政策の重要性
    2. 「家族」と「地域」-共同の世界
        変化の中の「地域」概念  現存「集落」の歴史的性格 “共同の世界”を支えたもの  身近なことから  「集落」再生の意義
    3. 菜園家族エリアの構造、その意義
        「集落」の再生と「なりわいとも」  基本共同体「村なりわいとも」 森と海を結ぶ「郡なりわいとも」  非農業基盤の「匠商家族」  「匠商家族」と「なりわいとも」  「なりわいとも」の歴史的意義

    第七章 二一世紀、近江国循環型社会の形成

    1. 森と海を結ぶ流域循環型地域圏モデルの設定
        湖国近江、滋賀  近江国、十一の流域循環型地域圏モデル  aモデル選定の経緯
    2. aモデル「犬上川・芹川流域循環型地域圏」の昔と今
        aモデルの地理的範囲  平野部~多賀町の一部と甲良町・豊郷町  平野部~彦根市 山間部~多賀町  雨乞い信仰と流域地域圏  ある老夫婦の半生 民話『幸助とお花』の世界より~循環の思想~
    3. 地域認識の深化と変革主体
        作業仮説の設定とその意義  螺旋円環運動と変革主体の形成
    4. 犬上川・芹川流域循環型地域圏形成の目標と課題
        流域循環型地域圏構築の基本姿勢  土地利用の視点から-田園地帯-  土地利用の視点から-森林地帯-  森再生の決め手  彦根市街地および三町の中核街  自立的な経済圏成立の前提  国・地方自治体の役割と政策投資
    5. 近江国循環型社会から世界へ
        近江国広域圏の一体性  歴史における主体的実践の役割  理想を地でゆく
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    『菜園家族レボリューション』

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    題名 菜園家族レボリューション
    著者 小貫雅男
    出版社 社会思想社・現代教養文庫
    発行年月 2001年11月
    判型・ページ 文庫版、208ページ
    定価 本体560円+税
    ISBN 9784390116459 ※絶版につき、ご注文・お問い合わせは、里山研究庵Nomadまで。

     市場原理至上主義アメリカ型「拡大経済社会」から、「菜園家族」基調のCFP複合社会へ。巨大化の道の弊害と行き詰まりが浮き彫りになった今、その評価を問いなおし、家族小経営の持つ優れた側面を再考する。
     人間を大地から引き離し、虚構の世界へとますます追いやる市場競争至上主義「拡大経済」に、果して未来はあるのだろうか。ここに提起する“大地に生きる”人間復活の唯一残されたこの道に、“菜園家族レボリューション”の思いを込める。

    この本の詳しい内容を見る
    本書の「プロローグ」より

     モンゴル遊牧社会の研究をはじめてから、いつのまにか長い歳月が過ぎてしまいました。そ の間、草原や山岳・砂漠の遊牧民家族と共に生活し、一年あるいは二年という長期の住込み 調査や、短期のフィールド調査をまじえながら、日本とモンゴルの間を何回も行き来すること になりました。

     ここに提起される日本社会についての未来構想は、この両極を行き来しながら、風土も暮ら しも価値観も、日本とは対極にあるモンゴルから日本を見る視点、そして、そこから生ずる何 とも言いようのない不協和音を絶えず気にしつつ、長年考えてきたことが下敷きになっている のかもしれません。

     モンゴルの遊牧民からすれば、日本は「輸入してまで食べ残す不思議な国ニッポン」に映る ことでしょう。本当は憤りさえ覚えているのかもしれません。高飛車に「あんたたちは、経済と いうものを分かっちゃいないんだよね」などと言って、世事に擦れた感覚に、薄汚れた常識を 振り回し、せせら笑ってすませる場合ではないのです。

     話は前後しますが、こうした日本とモンゴルの間の長年の行き来の中でも、とくに1992年秋からの一年間、山岳・砂漠の村ツェルゲルでの生活は、日本社会のこの未来構想を考 える上で、貴重な体験になっています。

    本書の「あとがき」より

    ……“菜園家族レボリューション”。これを文字どおりに解釈すれば、菜園家族が主体となる 革命のことを意味しているのかもしれません。しかし、“レボリューション”には、自然と人間界 を貫く、もっと深遠な哲理が秘められているように思えるのです。それは、もともと、旋回であ り、回転でありますが、天体の公転でもあり、季節の循環でもあるのです。そして何よりも、原 点への回帰を想起させるに足る、壮大な動きが感じとれるのです。イエス・キリストにせよ、 ブッダにせよ、わが国近世の希有な思想家安藤昌益にせよ、あるいはルネサンスやフランス 革命にしても、レボリューションの名に値するものは、現状の否定による、原初への回帰の情 熱によって突き動かされたものなのです。現状の否定による、より高次な段階への止揚(アウ フヘーベン)と回帰。それはまさに、「否定の否定」の弁証法なのです。現代工業社会の廃墟 の中から、それ自身の否定によって、田園の牧歌的情景への回帰と人間復活の夢を、こ の“菜園家族レボリューション”に託して、結びにかえたいと思います。

    目次

    プロローグ

    第一章 閉塞の時代―「競争」の果てに

    1. 「拡大系の社会」と閉塞状況
    2. 市場原理と家族
    3. 「虚構の世界」
    4. 生きる原型

    第二章 「菜園家族」の構想―週休五日制による

    1. 三世代「菜園家族」
    2. 新しいタイプの“複合社会”
    3. 「菜園家族」可能性
    4. 主体性の回復と倫理
    5. 予想される困難
    6. 家族小経営の生命力

    第三章 大地に明日を描く

    1. ふるさとー土の匂い、人の温もり
    2. “心が育つ”
    3. 理想を地でゆく
    4. 家族小経営の歴史性

    第四章 ふたたび「菜園家族」構想について

    1. 二十一世紀、人間復活の時代
      • 『四季・遊牧』の現代性
      • 問題は根深い
      • 大地に明日を描く
    2. 閉鎖からの脱出
      • 危機の中のジレンマ
      • 誤りなき時代認識を
      • 「構想」の可能性と実効性
      • 誰のための、誰による改革なのか
      • グローバリゼーション下の選択
      • 二十一世紀の“暮らしのかたち”を求めて
    3. 里山研究庵

    補章 『四季・遊牧ーツェルゲルの人々』をめぐって

    1. 『四季・遊牧ーツェルゲルの人々』について
      • 作品のあらすじと構成(伊藤恵子)
      • 解説ー独自の世界にひたる
    2. 新しい鑑賞のスタイルの創造をめざして
      • “お弁当二つの上映会”
      • 『四季・山村ー朽木谷の人々』の制作
    3. 辺境からの視点
      • 異郷の涙
      • 究極のアウトドア
      • いのちの初夜
      • どぜう
      • 北国の春
      • 早春の賦

    エピローグ

    文庫版へのあとがき
    解説(伊藤恵子)

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    『週休五日制による三世代「菜園家族」酔夢譚』

    suimutan

    題名 週休5日制による 三世代 菜園家族酔夢譚
    著者 小貫雅男
    発行 Nomad
    発行年月 2000年
    判型・ページ B5版、89ページ
    定価 頒価:350円(送料別)ご注文・お問い合わせ先:里山研究庵Nomad

    「大地」から切り離され、「いのち」からますます遠ざかる現代都市型社会に生きる私たち。しかしどうあがいても、この母なる大地から離れては生きていけない。長年のモンゴル遊牧社会のフィールド調査から見えてきた一つの「生きる原型」。そこから提起する21世紀・日本のグランドデザイン。