新企画連載「希望の明日へ」のスタートにあたって
新企画連載
希望の明日へ
―個別具体の中のリアルな真実―
新企画連載のスタートにあたって
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新企画連載「希望の明日へ」の
スタートにあたって
(PDF:324KB、A4用紙4枚分)
今回の新企画連載では、2001年以来、琵琶湖畔鈴鹿山中(滋賀県犬上郡多賀町大君ヶ畑)に里山研究庵Nomadという拠点を定め、特定の一「地域」にこだわり続けてきた地域調査・研究の原点に、一旦立ち返り、今から15年前に出版した拙著『菜園家族21 ―分かちあいの世界へ―』(コモンズ、2008年)を原典に、それを新企画連載「希望の明日へ ―個別具体の中のリアルな真実―」と改題、当ホームページ上に、各章を順次、シリーズ連載の形で掲載していく予定です。
急速に進む地域の空洞化と衰退。しかし、それでもまだ、そこには、身近な過疎山村や地方都市に住む人々のささやかな願いや希望のほのかな夢がありました。
この現地の過疎山村に2001年以来、今も身を置く者にとっては、日一日と寂れゆく村の光景とともに、無残にも人々のその夢が踏みにじられ、蔑(ないがし)ろにされていく姿が目に焼き付けられていきます。
今となっては、過ぎ去りし日を悲痛と悔悟の念に苛まれつつ、ただ叫ぶのみ・・・。
だが、これから21世紀に生きる私たちにとっては、日本列島の津々浦々にあまねく見られる、厳しいわが国のこの普遍的とも言うべき地域の現実の自覚と覚悟のもとに、一歩一歩、あゆみ続けなければならないのです。
さて、新企画連載「希望の明日へ ―個別具体の中のリアルな真実―」の掲載にあたっては、明らかな誤字・脱字・舌足らずな表現の類い等の若干の訂正以外は、原典『菜園家族21』が出版された15年前の時点でのこの地域の実情をそのまま忠実に再現し伝えることを期して、統計資料、地図、文中の統計数字、関連する諸研究の成果などについては、改変を加えることなく、2008年の出版当時の通り、そのまま原典から収録することにしました。
新企画連載のスタートにあたって、その≪目次一覧≫を以下に掲載いたします。
――― ◇ ◇ ―――
≪目次一覧≫ ―新企画連載「希望の明日へ ―個別具体の中のリアルな真実―」
プロローグ ―国破れて山河あり
第1章 「辺境」からの視点
1 モンゴル『四季・遊牧』から「菜園家族」構想へ
2 森と琵琶湖を結ぶ11の流域地域圏(エリア)
3 里山研究庵と調査活動の進展
4 “菜園家族 山の学校”から広がる展望
第2章 人間復活の「菜園家族」構想
1 「菜園家族」構想の理念と原理
民話『幸助とお花』の世界
蔑(ないがし)ろにされた先人の思い、分断された流域循環
大地を失い、衰退する家族 ―「競争」の果てに
家族と地域再生の基本原理 ―賃金労働者と生産手段との再結合
2 「菜園家族」構想とCFP複合社会
週休五日制の三世代「菜園家族」構想
CFP複合社会の創出 ―人類史上、はじめての挑戦
CFP複合社会の特質
21世紀の新しい地域協同組織体「なりわいとも」
3 自然の摂理と「菜園家族」
自然界を貫く「適応・調整」の原理
自然法則の現れとしての生命
自然界と人間社会を貫く生成・進化の普遍的原理と21世紀未来社会
21世紀“高次自然社会”への道
≪小括≫ ―北国の春、中間的まとめとして―
4 地球温暖化と「菜園家族」
早急に求められる地球温暖化への対応
日本の取り組みの限界
もはや元凶の変革は避けては通れない
「菜園家族」の創出は地球温暖化を食い止める究極の鍵
子どもや孫たちの未来を見据えて
日本の、そして世界のすべての人びとが心に秘める終生の悲願
「環境先進社会」に学ぶ
排出量取引制度を超える方法を探る
脱炭素社会へ導く究極のメカニズムCSSK方式
第3章 グローバル経済の対抗軸としての地域
―森と海(湖)を結ぶ流域地域圏(エリア)再生への道
1 中規模専業農家と「菜園家族」による田園地帯の再生
農業規模拡大化路線の限界
“菜園家族群落”は今日の農政の行き詰まりを打開する
2 「森の菜園家族」による森林地帯の再生
荒廃する山の集落と衰退の原因
かつては賑わった最奥の集落・大君ヶ畑(おじがはた)
大君ヶ畑の暮らし ―ある老夫婦の半生から
「御上」に振り回されて・・・
森の再生は「森の民」だけが担う課題ではない
森の再生は「森の菜園家族」の創出から
「森の菜園家族」の具体的イメージ ―森の多様性を取り込み、木を活かす
「森の菜園家族」の「なりわいとも」
山の活用に斬新な発想を ―尾根づたい高原牧場ベルトライン
伊那谷の家族経営牧場に学ぶ
集落衰退に拍車をかけた分校の統廃合
地域における学校の役割
21世紀、都市から森への逆流が始まる
3 「匠商(しょうしょう)家族」が担う中心街と中核都市
非農業基盤の零細家族経営と中小企業
「匠商家族」とその「なりわいとも」
「匠商家族のなりわいとも」の歴史的使命
犬上川・芹川流域地域圏(エリア)における「匠商家族」とその「なりわいとも」
第4章 地域再生に果たす国と地方自治体の役割
1 公的「土地バンク」の設立 ―農地と勤め口(ワーク)のシェアリング
2 「菜園家族」のための住宅政策 ―戦後ドイツの政策思想に学ぶ
3 新しい地域金融システムと交通システムの確立
4 流域地域圏(エリア)における地方自治のあり方
第5章 “菜園家族 山の学校”その未来への夢
1 “めだかの学校”を取り戻す
2 新しい「地域研究」の創造をめざして ―「在野の学」の先進性
3 おおらかな学びあいの場と温もりある人間の絆を
4 諦念に沈む限界集落
5 再起への思い
エピローグ ―分かちあいの世界へ
苦難の道を越えて
いのちの思想を現実の世界へ
まことの「自立と共生」をめざして
あとがき
参考文献
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2023年10月29日
里山研究庵Nomad
小貫雅男・伊藤恵子
★ 新企画連載「希望の明日へ」は、11月初旬から連載をはじめます。
引き続きお読みいただき、ともに考えていければと願っています。
〒522-0321 滋賀県犬上郡多賀町大君ヶ畑(おじがはた)452番地
里山研究庵Nomad
TEL&FAX:0749-47-1920
E-mail:onukiアットマークsatoken-nomad.com
(アットマークを@に置き換えて送信して下さい。)
里山研究庵Nomadホームページ
https://www.satoken-nomad.com/
菜園家族じねんネットワーク日本列島Facebookページ
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